プロ野球の監督は、所属選手の力量を見極めて、試合に出場する選手を選んだり、投手の継投や打者に代打を送るなどの試合中の指揮に焦点が当たりがちですが、それ以外に選手の育成や練習の指導に至るまで幅広い権限を有しています。
また、チームによっては選手獲得についても一定の権限が与えられていることもあります。このような権限を最大限活用して、名将と呼ばれるまでになった監督として挙げられることが多いのが落合監督と野村監督です。
落合監督は選手時代には内野手としてロッテ、中日、巨人、日本ハムの4チームで活躍し、ロッテ時代にはプロ野球史上唯一の三度の三冠王に輝くなどの実績を残す大打者です。
古巣の中日の監督になってからは、オレ流と言われるこれまでの監督の常識を覆す手法でチーム改革を行い、2004年から2011年の在任期間に4回のリーグ優勝を成し遂げ、それ以外の年も全てAクラスに入るという偉業を残しています。
一方の野村監督は、南海、ロッテ、西武の捕手として活躍し、戦後初の三冠王に輝くなど通算600本を超える本塁打を記録した大打者です。しかし当時のパリーグ注目度が薄く、そのことを自虐して月見草と名乗ることもありました。
監督としては選手兼任の南海時代を始め、ヤクルト、阪神、楽天で指揮を取っています。その特徴は、ID野球と呼ばれる、それまで国内であまり活用されていなかったデータを駆使した緻密さが売りで、通算24年間の監督在任中に4回のリーグ優勝を達成しています。