プロ野球における「戦力外通告」とは、球団が契約中の選手に対し、翌シーズンの契約を結ばないことを正式に通知する制度です。
一般的に、チームの戦力整理の一環として行われ、若手の育成や新戦力の獲得のために、ベテラン選手や成績が振るわなかった選手が対象となることが多くあります。
戦力外通告は、毎年シーズン終了後の10月から11月にかけて発表されます。選手たちは球団から直接通知を受けることになりますが、通告のタイミングは球団によって異なります。
特に、チームがクライマックスシリーズ(CS)や日本シリーズに進出している場合、シーズン終了後に通告が行われるケースが一般的です。
戦力外通告を受けた選手は、そのまま現役引退を決断するケースもあれば、他球団でのプレーを目指して移籍先を探す場合もあります。
また、自由契約となることで、他の球団と自由に交渉できる立場になるため、新たな契約を得るために積極的に動く選手もいます。
プロ野球のトライアウトは、戦力外通告を受けた選手が再びプロの舞台に戻るための最後のチャンスとも言える場です。
12球団合同トライアウトとして行われることが多く、すべてのプロ野球チームのスカウトが集まり、選手のプレーを評価します。
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トライアウトでは、投手は打者との実戦形式の対戦を行い、打者は実際に投手の投球を打ち返すことでアピールします。
通常、1試合あたり数打席しか与えられず、限られた機会の中で結果を残さなければなりません。そのため、選手たちは一球一打に全力を注ぎ、必死にアピールを続けます。
トライアウトの結果次第では、プロ野球のチームから再契約のオファーを受けることができます。しかし、その確率は決して高くはなく、多くの選手が契約を得ることができないまま、プロ野球を去ることになります。
実際、トライアウトで好成績を収めても、チームの補強方針やポジションの空き状況によっては契約に至らないこともあります。
トライアウトでプロ野球チームからのオファーを得られなかった場合、選手たちは他の選択肢を模索することになります。
その中でも、独立リーグや社会人野球は、プロ野球を離れた選手にとって再起を図るための重要な選択肢となります。
独立リーグは、NPB(日本プロ野球機構)とは異なるリーグで運営されているプロリーグであり、日本国内にはいくつかの独立リーグが存在します。
四国アイランドリーグやルートインBCリーグなどが代表的なリーグであり、ここで結果を残せば、NPB球団から再び注目される可能性もあります。実際、独立リーグでの活躍が評価され、プロ野球に復帰した選手も少なくありません。
一方、社会人野球は、企業やクラブチームが運営するアマチュアリーグで、都市対抗野球や社会人野球日本選手権などの大会があります。
社会人野球はプロとは異なり、選手は企業に所属しながらプレーするため、安定した生活を送りつつ、野球を続けることができます。特に、社会人野球からプロ野球に復帰した例もあり、ここで再び実力を証明することで、再びNPBの舞台に戻るチャンスを得ることも可能です。